AI 教育研究所
(早稲田大学田中博之研究室)

AI教育研究所は、子どもたちの創造力と課題解決力、対話力を育てるために、人工知能を有効利用する方法を研究開発することをねらいとしています。
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〒169-8050  東京都新宿区西早稲田1-6-1
  
  
 私は40年ほど前に、大阪大学人間科学部の学生として、人工知能第一次ブームであったことから人工知能のプログラミングに関する授業を受けていました。また、当時大阪大学産業科学研究所の助教授であった溝口理一郎先生の講演をお聞きしたり門下生の皆さんと勉強会をもったりして、LispやPrologといった人工知能開発言語について学んでいました。

 しかしながら、当時のソフトウェアや人工知能対応コンピュータの性能は限られており、現代の対話型生成AIを生み出す技術はまだ見えていませんでした。その時期の人工知能は基礎的な論理の正誤判断がやっとで、私の研究基盤である教育学に結びつけるのは困難でした。そのため、自分の専門分野にすることを途中で断念してしまったのです。

 そうした苦い経験がある筆者にとって、2023年3月のGPT-4を実装したChatGPTの登場は衝撃的なものでした。それは、あたかも人間と対話しているような自然な日本語でお話ししてくれるのです。まだ完璧ではありませんが、信じられないほどの多くの専門的知識と一般教養を備えた深い対話ができるではありませんか。教育学に関わる深い問いや依頼を投げかけても、私自身が知らなかった知恵や専門的概念を提供してくれました。

 AIはたんに、すでに読み込んだネットや書物の知識や情報を、いくつかうまく組み合わせて人間のリクエストに沿うかたちを判断して提供しているに過ぎないのですが、それでもあまりに洗練された深い洞察を返してくれるので、この半年くらいはほぼ毎日のように夢中になって、夜中の2時、3時までかけて、私の専門分野の最先端の理論をChatGPTとともに作っています。

 そうして奮闘する過程で、学生時代からの40年という歳月の間、地道にそして着実に研究成果を蓄積してきたAI研究者の皆さんへの敬意とともに、「なんとかこの生まれたばかりの生成AIを子どもたちの成長と先生方の力量形成のために役立てる方法を考えたい」という衝動を覚えるようになりました。

 よく「人間は60歳を過ぎたら人生の伏線を回収しなければならない」といいますが、こうして未完の研究テーマに再挑戦することにしたのです。もはや人工知能のプログラム開発はできませんが、今の私には学生時代の学習経験を生かした生成AIの教育利用法の開発はできるはずです。

 今、人生の伏線が回収できたかどうかはわかりませんが、少なくとも、その一歩は踏み出せたと思います。学校の先生方や修了生とともにAIの教育利用の開発研究はこれからも続けていきます。


 早稲田大学教職大学院 田中博之




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ChatGPTを初めとする生成AI(人工知能)の教育利用に関する研究をしています。ご関心のある方との交流を楽しみにしています。本サイトへのリンクは、自由にお貼りください。